失語症と認知症の違い

 

ハリウッドスターである、ブルース・ウィリスさんが、失語症で引退。

このニュースにより、失語症への関心が高まっています。

調べて見ると、結構他人事ではない症状なので共有しておきますね。

スポンサーリンク




決して他人事ではない失語症

 

なぜ、失語症をご紹介しようと思ったのか??それは決して我々に無縁な障害じゃないからです。
まず、失語症になる原因を見てみましょう。
失語症は主に脳にダメージを与える、例えば脳梗塞や脳出血、くも膜下出血。頭部の外傷や、脳腫瘍などによって引き起こされます。
要は脳にダメージがあったら障害を起こすよね、っという分かりやすい図式になっています。
ちなみにストレスによって発症する報告は今のところないとのことです。
 
 
確かに脳へのダメージがあれば我々にとっても無縁じゃない。そういう話しにもなりそうですが、それだけではありません。
何が、とはココではいいません。その何が、とはお察しいただきたいのですが、
一言で表すと ”コロナ” の影響があります。
この影響は向こう10年ほどある、と言われているので油断できないのです。
実際に最近、数が多くはないとはいえ失語症の症状を訴える人が増えています。
ある日突然、発症することもあるので失語症への理解があった方が良いかもしれません。
 
 

失語症とは??

失語症の症状

失語症とは、言語に関する障害が発生します。
失語症の症状は人によって異なり、主に ”聞く” ”話す” ”読む” ”書く” ができない、または時間を要するようになります。
なので一般的なコミュニケーションがとれない、または取りにくくなります。
昨日までは普通に話していたのに、、、っとなるので認知症などを疑ったりしますが、別物なので注意が必要です。
 
 

誤解されやすい失語症

記憶障害ではない

失語症の分かりにくさは、根本は普通の人と変わりないということ。
日常的会話や社会的立場、人格や性格、思い出や学習、時間や場所、状況判断など失語症にかかる前とかかった後でも同じです。
何が違うのかというと、それを伝える手段がないということです。
なぜなら言語能力を封じられているからです。
言葉を言葉として認知できない症状が失語症なのです。
 

認知症ではない

先の記憶障害ではない理由から、認知症でもないことを押さえておきましょう。
認知はできているのです。
ただその認知した情報を言語化できないだけなのです。
 

精神障害ではない

先の説明でもあるように、根本は普通の人と変わりありません。
つまり精神状態も正常です。なので精神障害ではないので注意しましょう。
ただし、伝わらないストレスから合併症を引き起こす可能性はあります。
 
 

構造障害ではない

失語症は脳の言語中枢に異常が発生することによって引き起こされます。
一方、構造障害とは脳の運動中枢に異常が発生する事によって引き起こされます。
つまり構造障害は、言語を理解した上で運動による障害なので、例えば上手く口が動かせない、発声できないなどの症状となります。
失語症の場合は、言語が崩壊した世界なので、例えば発音ができない理由は構造障害だからではないということです。
 
 

痴呆ではない

上手く言葉で話すことができないので痴呆と間違えられることがありますが、失語症は痴呆ではありません。
 
 
 

失語症の種類

ブローカ失語(運動性失語)

言われていることは理解できるが、その応答ができない、もしくは時間がかかる症状。
書くことも苦手としている。
 
 

ウェルニッケ失語(感覚性失語)

ブローカ失語とは逆で、相手の言葉を理解できない症状。
一方で話すことは得意としている。が、イントネーションが違ったり、全く違う言葉を使ったりするので、結果として意味が分からない内容となってしまう特徴がある。
書くことが苦手なのは同じ。
 
 

健忘失語

健忘失語は、相手の言葉を理解することができるし、上手く応答する事も可能です。
ただモノの名前が出てこないことが特徴。
これは一般の方にもみられる現象。
 
 

全失語

言語に関する全ての能力が侵された症状。
相手の話しを聞く、理解する、話す、言葉を読む・書く、など全てを失います。
なのでコミュニケーションが難しくなります。
 
 
 

失語症の特徴

喚語困難

パッと言葉がでてこない状態。
正常時でも普通にある症状。この症状が重度になったのが失語症。
 
 

理解力障害

言葉は聞こえているが、意味を理解することができない症状。
 
 

錯語

いわゆる言い間違いのことで、錯語には主に2種類あります。
一つが完全に違う言葉をいってしまう語性錯語。そして発音やイントネーションが違う字性錯語があります。
 
 

残語

重度の失語症にかかっている人に見られる症状で、限られた言葉しか発せなくなる。
故にコミュニケーションを図るのは難しくなる。
 
 

失語症への対応

 

失語症の難しいところは、あくまでもその人の感覚や人格、記憶は正常であるという点です。
ただ、それを表現したり、視たり聞いたりするのに必要な言語が ”ない” 状態になるので本人はもちろんのこと、関わる人達も相当なストレスになることが予想されます。
ただあくまでも、失語症は言葉が崩壊した世界になってしまう症状なので、その部分をきちんと理解できていれば精神異常や認知症、痴呆などとは違った対応が可能という事です。
 
 
失語症は言葉が崩壊しているので、言葉によるコミュニケーションを基盤にしてしまうと上手くいきません。
基本的には推理して相手の想いを読み解く心構えが必要です。
ゆっくり話す。相手が話し終えるまでを待つ。急いで結論を出そうとしない。
身振り手振り、図や絵、写真などを使うなどの工夫が必要です。
失語症はあくまでも言葉がない世界で戦っているので、その理解は必要です。
 

最後に、
このご時世です。いつ自分が、または周りの人が失語症にかかるか分かりません。
そんな時に、変に精神病や認知症、痴呆などと早合点しないように注意しましょう。
失語症にかかっても回復する希望はありますので、お医者さんに相談して適切な処置を行いましょう。
 
 
 
 
スポンサーリンク