言葉の定義とは?
言葉は空気を吸うのと同じくらい普段当たり前のように使っています。
でも言葉ほど曖昧で抽象的なものはない、と考えたことはありませんか??
ほとんどの方が使う言葉というのはイメージです。
仕事、愛、仲間、友情、など何となく普段使う言葉ですが、フワッと使っているのです。
なぜなら、それらの定義は?と聞かれてスパッと答えれる人は少ないからです。
だから対人関係においては、自分の伝えたいことが相手に伝わらない
対自分においては、納得できない、理解できない、という現象に陥るのです。
この言葉の定義シリーズでは、ある言葉の定義を明確にし、行動に移せるようになることを目的としています。
人というのは言葉によって行動に移せます。
自分を行動させるのも、相手に行動を起こさせるのも全ては言葉なのです。
では何の言葉が自分を、相手を納得させられることになるのか?
それが重要なのです。
腹をくくる、とは?
けっこう聞いたことがあるフレーズだと思います
私のイメージだと “決死のときに使う言葉” って感じですかね??よく映画や時代劇なんかで言われるセリフです。
あるいはお説教を受けている時や、何かの指導を受けている時に「腹をくくれ!」と言われる場面があると思います
辞書には、
覚悟を決める。いかなる事態にもひるまないよう心を固める。
決心を固める。
とあります。
まぁだいたいこんなイメージだと思うんです。
ただその言われた場はいいとして、冷静に考えてみると、
腹をくくれ、と言われても “何を?” じゃ、ありません??
覚悟を決める。 “何の” 覚悟?
いかなる事態にもひるまない心を固める。 うん、どうやって?
決心を固める。 “何の” 決心?
っとまぁこんな感じです。
だいたいは、言ってる側は「腹をくくれ!」という言葉に酔いしれて、言われた側は何となく分かるけど実際は分かっていない状況になっていると思います。
これでは意味がありませんよね。
でも “腹をくくる” という言葉の定義がハッキリしたら実はとんでもなく良い言葉なんです。
ではその定義を確認してみましょう
腹をくくってみよう
では腹をくくる、の言葉の定義です。
腹をくくる、とは
それ以外に何も考えないこと
です。
いかがですか??つまり、
覚悟を決める。 “何の覚悟?” とは、 “それ以外に何も考えない” という覚悟です。
(※覚悟、も別の記事で定義を紹介しますね)
いかなる事態にもひるまない心を固める、とは “それ以外に何も考えない” ので外部から何を言われても氣にしない。
決心を固める。 “何の” 決心?とは、“それ以外に何も考えない” ということを決めるということです。
どうです??
かなり具体的になったと思いませんか??
腹を括る、とは “それ以外に何も考えるな” という事なのです。
私の幼いころに涙した可愛いエピソードがあります(笑)それを例にすると、
おじいちゃんが亡くなり、自宅でお通夜をすることになりました。
お坊さんがお経を唱えているのを幼い私は正座して聞いていました。
そこで私は絶対お経が終わるまで正座を崩さない、と心に決めていたのです。
単なる遊び心、といっても構いません。ともかく崩さない、と決めたんです。
でもいつ終わるのか分からない不安の中、どんどん痺れてくる足。
辛さがMAXに差し掛かり体もプルプル震えてきます。
それを見かねたおばあちゃんが私の耳元で「辛かったら崩していいんだよ?」と語りかけてきます
「いや、大丈夫」と最初こそ断り、我慢し続けていた私ですが、度重ねておばあちゃんから「崩しなさい」という優しい言葉に、
とうとう私は正座を崩してしまいました。
そしてその数秒後、お経が終わったのです。
私は悔しさのあまり仕事で来れなかった父に電話をし、涙を流しながら吐露しました。
単純に、私の中で腹を括れていなかった、という話しです。
正座を崩さない、という決心はしていた。でも腹は括れていなかったのです。
“それ以外に何も考えない” としていたら、足の痺れは仕方ないのです。それでも我慢しなければならなかっただけの話しです。
そしておばあちゃんの優しい言葉も、無視しなければならなかったのです。なぜならそれ以外は考えてはいけないからです。
ついでに、相手を気遣った優しさもその人にとっては優しさではない場合もある、ということもこの時に学びました。
この時のおばあちゃんの優しさは、私にとって障害でしかなかったのです。おばあちゃんが悪い、という話しではありませんよ?
単に私が未熟であったという話しです。
腹を括るとは、それ以外に何も考えない、ということ。
あなたが誰かに「それ以外何も考えるな」と言われた。
あなた自身が何かについて「それ以外に何も考えない」と考えた。
それを実行できますか?というのが問われているのです。
いったん腹を括ると、周りはどうでもいいのです。
甘い言葉も、中傷も、笑われても、腹を括ればどうでもいいのです。自分の気が済むまでやり通せばいいのです。
なぜなら、それ以外に何も考えないからです(笑)考えている暇があったらそっちに専念しなさい、という事だからです。
腹を括らされる時もある
腹を括る、というのは主語は自分です。自分のタイミングで腹を括るのですが、どうやら自分のタイミングでやらせてくれないのが世の中なのです。
自分はまだ決心すらしていないのに、相手からは腹を括るように求められている。
たぶんこのタイミングが合っている、合っていないかで上手くいっている、上手くいっていない、というのが出てくるんでしょうね。
いわゆる温度差ですね(笑)
だから言う側も、言われる側もこのことを知っておかなければなりません。
言う側は相手がまだ準備が整っていないかもしれないことを留意しなければならないですし、
言われる側もこのことを知っていたら少しは理解できると思います。理解していなかったら、そこから不満や不安に繋がりますからね。
誤魔化す
相手から腹を括るように求められる、ということに気づかないとエライことが生じます。
それが誤魔化しです。
自分が分かってて誤魔化すのならばまだ良いんですが、相手に求められていることに気づかずに、その上で知らず知らずの内にやらなければならない事をやらない=誤魔化している状態ってのが一番厄介です。マジで(笑)私も色々やらかしています(笑)
そしてこれで一番怖いのは、誤魔化すと必ずそのツケが返ってくる、ということです。
しかも返ってきてほしくないタイミングでね(笑)
だからもしあなたが今苦しんでいるのならば、絶対に以前に誤魔化した時があったということです。
そしてそれが、あぁあの時か~って分っていたらまだ救われます。分かっていない時は、知らず知らずの内にそういうことがあったんだなっていう事なのです。
それに今気づけただけでも御の字だと思って頑張っていきましょ?私も頑張っています(笑)
腹を括るのは何も難しい時ばかりじゃないメリット
高名の木登り、という徒然草の中にある言葉があります。簡単に説明すると、
ある有名な木登りの職人さんがいて、作業員に木を登らしたところ
非常に高くて危ないところで作業をしている時は何もアドバイスをしなかったそうです。
でも高所での作業が終わり、降りてきてちょうど低いところへ差し掛かった時に初めてアドバイスをしたそうです。
「危ないから気を付けてね」と。
作業員は「いやいや、ここまできたら安全ですよ」と答えましたが、名人は「だからこそ一番ケガをするのはそこなんです」と答えたそうです。
腹を括るとは、それ以外何も考えない、と言いましたがもっと言い換えると、集中している、とも言えます。
高所では身の危険が生じるのでかなり集中力が高いといえます。なので言われなくても分かっていると言えます。
逆に低所になればもう大丈夫という慢心が生まれます。だからこそ、ふとした瞬間にケガや事故に遭ってしまうのです。
物事は実は、難しい事ほど簡単なのです。なぜなら集中力が違うからです。
逆に簡単な事ほど難しいのです。なぜなら油断が生じるからです。
集中力の問題といえば、腹を括るというのも何だかうなずけるものだと思いませんか??
腹を括るのは体にも影響を与える
病は氣から、といいますがこれは本当です。
ここで2つの相反することを言ってしまいます。
一つはネガティブなことを言葉にしてはいけないという事。
なぜなら言葉には力があって、口から出してしまうと本当にそのようになってしまうから。
二つ目はネガティブなことを言ってもいいという事。
なぜならネガティブなことをを言ったり考えたりすると体が勝手にそのことに対して防御態勢をとるから。
まぁ結論から言いますと、要は心の持ちようであるということです。
一見相反することを言っているように見えて実は両者は違うことを言っています。分かりますか??
では腹を括るという観点で2つ目のネガティブ発言について説明します
ネガティブな発言は勝手に体が腹を括ってくれる
あるトレーナーさんのお話しですが、
タイムスケジュールがパンパンで、本人が大変だ~しんどい~って話している時ほど体調は崩しにくいそうです。
やれこれ痛い、あれ辛い、と言っていても症状は大したことがないみたいです。
一方で、本人が全然楽だ。問題ないって言っている時にこそ体調が良くないことが多いそうです。
大丈夫といっているケガほど重症だったりするそうです。
つまり何が言いたいのかというと、
しんどくてもやらなければならない、という状況なのであれば体は勝手にそれに対応した準備をしてくれるということです。
だからケガや病気に対しても対応してくれる。
でも本人が軽く見て油断していると、体も何も準備していない状態になってしまい何気ないことでも過敏に反応してしまうのです。
そう考えると、人間腹を括り、意識と気持ちを変えるだけで何事もに耐えられるように出来ているということです。
どんな状況でも意識と気持ちで勝てば体はちゃんと準備して勝てるようにしてくれるのです。
何にしても、心の油断が体に対して一番悪いってことです
いかがでしたか??
人生、腹を括らなければならない時もあれば、腹を括らされる時もある。
だから面白いし成長できる、と思えばまた違った視点を持てるようになるのではないでしょうか??
私も頑張っています。
一緒に頑張っていきましょう
では良い人生を